2月度の展示案内
ヨーロッパ中世の彩色写本のファクシミリ版を展示しているライブラリーリエバナです。
2月度の展示のお知らせです。 ベアトゥス写本をすべて入れ替えました。
【ベアトゥス黙示録註解書写本】 今月は系統Ⅰの9写本から以下の4写本を展示します。
①マドリード写本 10世紀半ばころ(930-950頃)にレオン州で制作されたと推定。写字生の名前は不明。損傷・脱落が多く141葉の羊皮紙に27点の挿絵が残っている。当初は挿絵にフレームがない描かれ方だったと思われる。
マドリードの国立図書館が所蔵。
②エスコリアル写本 10世紀末ごろ、リオーハのサン ミジャン デ ラ コゴーリャ修道院で制作されたと推測。 縦 335 横 225 と小ぶりな写本。151葉の羊皮紙に52点の挿絵が描かれています。全頁大の挿絵はアダムとイブを描いたもののみ。
③サン・スヴェール写本 1028-72年の間に、ピレネー山脈北部のフランスで制作された。スペイン外で制作された最初の数少ないベアトゥス写本の一つです。ほかとは違った独特の挿絵が102点展開されています。
④コゴーリャ写本(サン ミジャン写本) 10世紀半ばころと12世紀第1四半期とに分けて制作された写本。49点の挿絵がありますが、途中から挿絵の画風が大きく変わっています。
また、新しく加わったファクンドゥス写本(Versol版ファクシミリ)を展示します。今までよりより鮮明な描画で挿し絵を鑑賞できます。
⑤ファクンドゥス写本 系統Ⅱaに属する写本で、1047年にフェルナンド1世とサンチャ王妃に献呈されました。 写字・挿絵をおこなったファクンドゥスの名から「ファクンドゥス写本」と呼ばれています。
全312葉の写本は残存するベアトゥス写本の中で最も葉数が多い写本で、98の美しい挿絵が描かれています。
そのほか黙示録写本として
①ヴァランシエンヌ黙示録写本 9世紀初頭(第1四半期)にフランスあるいはドイツで制作されたカロリングスタイルの黙示録写本で、トリーア黙示録写本とともに残存する最初期の挿絵入り黙示録写本。
42葉の羊皮紙に38の全頁大挿し絵が描かれています。
フランス北部のValenciennes市立図書館所蔵。
②トリニティ黙示録写本
中世の写本として引き続き
①新約聖書写本(Vat.Lat.39)
②獣の書(MS. BODLEY 764)
を展示しています。
2月は日・水・木・金に開館の予定です。
尚、4月28日(木)~5月2日(月)に豊田市市民ギャラリーにて、「中世ユーロッパ彩色写本展ーファクシミリ本で見る黙示録の世界」と称してファクシミリ本を中心に写本を一度に見てもらえる展示会を行う予定です。詳細はまたご報告します。
ぜひお越しください。