ライブラリー リエバナ 3月の展示内容お知らせ

ヨーロッパ中世の彩色写本をファクシミリ版を中心に展示しているライブラリーリエバナです。

3月度の展示のお知らせです。

  230301 3月展示案内

今月は、ベアトゥス写本群のなかで、系統Ⅰ群の旧版に分類されている写本5点を展示します。
(大野松彦作図 P.K.クラインに基づく翻案図より)

ベアトゥスの写本群の系統図はいくつか発表されていて、上図はP.K.クラインが提唱するものを大野松彦博士が作図した翻案図です。
ベアトゥスの黙示録註解書は第1版が776年、第2版が786年(又は784年)、第3版が8世紀末に書かれたということです。
今回は上図でいう系統Ⅰ群の旧版に属する5点の写本を展示します。
系統2との大きな違いは、黙示録本文の前後の挿絵で、キリストまでの系譜とダニエル書の
挿絵がないということです。

この系統の写本はそれぞれの写本の挿絵に強い個性があります。

【エスコリアル写本】
人物の顔の描き方に特徴があり、鼻と片方の眉がほぼ直角の直線で描かれ、大きなしずく型の目が特徴。
また、特に印象的なのは、大きくてギザギザの翼を持つ天使の姿です。その羽根が挿絵の額縁に収まりきらず、はみ出して描かれているのが特徴

【ナバーラ写本】
挿絵の地に使われている紫色が特徴の写本。ロマネスク様式を色濃く残しています。

ナバーラ写本

【リスボン写本】
この写本も挿絵の地の色に特徴があり、黄色とオレンジの蛍光色が目を引きます。

リスボン写本

【オスマ本】
挿絵は濃い赤や黄と共にエメラルドグリーンや薄青の背景色が特徴です。特にエメラルドグリーンは他に例を見ない美しい色調です。

オスマ写本

【コルシーニ写本】
ベアトゥス写本の中でも縦 17cm 横 9.5cmと一番小さな写本です。
挿絵は8点と残存するものが少ないが、絵は逆にモサラベ様式のものが7点でロマネスク様式は1点のみです。

コルシーニ写本

3月はほかに「カノッサの屈辱」で有名な『マティルダ伝』の写本と、空想上も含めた動物の習性と特徴とをキリスト教的教訓と結び付けた『動物寓意集』を展示します。

ヨーロッパ中世の写本の世界が味わえます。
場所は、豊田市駅からすぐ近くのVITS豊田タウンの地下1階(市民ギャラリー前)です。 外階段から降りて頂くと便利です。ぜひお越しください。

インスタをやっています。

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です