10月の展示の紹介です
10月の展示写本の紹介です。
10月は黙示録の12章に描かれている「太陽をまとう女と竜」という場面について、ベアトゥス写本とその他の写本との描き方の違いを見ます。
一般的な黙示録写本は、この場面を何ページかに分けて描いていますが、ベアトゥス写本では見開き2頁の大きな画面に、いろいろな場面を同時に描いており、よりドラマティックな印象を与えます。
・太陽を身にまとい、月を足の下に、12の星を冠にした女が出現する。(挿絵左上)
・中央の竜は女が子を産んだら食べようとしていた。女は男の子を産み、その子は神の玉座に引き上げられる。(挿絵右上)
・女は荒野に逃げ込み、天では大天使ミカエルたちが竜に戦いを挑み、龍を打ち負かす。(中央上)
竜と全人類を惑わすものは地上に投げ落とされる(右下)
・竜は女を追うが女には鷲の翼が与えられて荒野に逃れると、龍は口から川のような水を吐き出して女を押し流そうとするが、大地が女を助けた。(左下)
(「世界でもっとも美しい装飾写本」田中久美子著より)
ベアトゥス写本の前後の時代に書かれた トリーア写本やドゥース写本などは、何ページかに分けて描いています。