6月の展示の紹介です
6月も5月に引き続きウンベルト・エーコ による小説『 薔薇の名前 』の同名映画化作品に出てきた 2点の『ベアトゥスの黙示録註解書写本』(ファクンドゥス写本とシロス写本)を展示します。
併せて、15世紀に流行した時祷書写本(美術書)を展示します。
15世紀はすでに活版印刷が発明されて、写本から印刷の時代に移り始めたころで、写本文化の最後の華の時代に作られたものです。
時祷書とは、平信徒たちが祈りを捧げるときに用いる書物のことですが、平信徒(貴族や裕福な商人)がパトロンとなり贅を尽くした写本を作成しました。 ベアトゥス黙示録の写本と比較すると装飾過多に思われるとこともありますが、当時の贅沢な世界が垣間見えます。
【ローアン時祷書】
【ヴィスコンティ時祷書】
【ベリー候の大時祷書】
【ベリー候のいとも豪華なる時祷書】
中世の彩色写本の雰囲気が手に取って味わえます。