5月の展示の紹介です
ウンベルト・エーコ による小説『 薔薇の名前 』の同名映画化作品で、修道院の写字室 (スクリプトリウム:Scriptorium)や図書室が描かれ、たくさんの彩色写本も見ることができます。
そのなかで、『ベアトゥスの黙示録註解書写本』からも2点の挿絵が映されていました。
今月はその2点(ファクンドゥス写本とシロス写本)を展示します。ファクンドゥス写本の挿絵は、日本語版小説の表紙にも使用されました。
『 薔薇の名前 』の映画では修道院の写字室 (スクリプトリウム:Scriptorium)が雰囲気よく描かれていて、写本作成の様子も当時の様子をしっかり再現されていたように感じました。
写字台の上に置かれているのは、シロス写本のf.2の挿絵です。(ただ、この大きさだと半分の大きさに見えますが)
図書室の中で見られるのがファクンドゥス写本のf.186v-187の見開きに描かれている「太陽をまとう女と竜」の場面(黙示録第12章)です。
ファクンドゥス写本の挿絵は、日本語版小説の表紙カバーにも使用されています。
【上巻】 f. 116vの「子羊、四つの生き物、長老たちのヴィジョン」
【下巻】 f. 233v の「バビロンの崩壊」
中世の彩色写本の雰囲気が手に取って味わえます。