3月の展示の紹介です
3月の展示写本の紹介です。
3月は新しく入ったベアトゥス黙示録註解書のトリノ写本とその元本であるジローナ写本の比較とともに、トリノ写本が制作された12世紀前半と同時期の写本を展示します。
(1)トリノ写本
106点の細密画(ベアトゥス注釈書に93点、ダニエル書に13点)が収められており、挿画師はジローナ写本の構図を踏襲しているが、色彩や衣服の描き方に関しては、いわゆるモサラベ様式ではなく同時代にふさわしいロマネスク様式に移行している。
(2)ジローナ写本
トリノ写本の元本といわれる写本。
挿絵は、イスラムの影響を受けたモサラベ風の建築物や服装などが多くみられる。幾何学的な形状、豊かな色、装飾された敷地、様式化された人物といった形に、イスラム美術と装飾的伝統が混ざって表現されている。
(3)サン・スヴェール写本
モサラベ様式の中にロマネスク様式がまざった挿絵が見られる。例えば新エルサレム(f. 207-f. 208)では建物全体はモサラベ写本のように正方形で構成されていますが、アーチは馬蹄形ではなく半円形のアーチが描かれています。
(4)オスーマ写本
すでにロマネスク様式が入りつつあったのがさらに進んでいる挿絵の様式です。(建築の馬蹄型アーチがモサラベ様式の痕跡として残っている)
挿絵は濃い赤や黄と共にエメラルドグリーンや薄青の背景色が特徴です。特にエメラルドグリーンは他に例を見ない美しい色調です。
(5)シロス写本
(6)コルシーニ写本
12世紀初頭にスペイン北東部のアラゴン地方で作られたと推測される。 ベアトゥス写本の中でも縦 17cm 横 9.5cmと一番小さな写本