8月の展示の紹介です

遅くなってしまいましたが、8月の展示内容をご紹介します。(手違いで公開されていませんでした)

8月は『異形の中世』と銘打ち、中世写本に描かれた異形やハイブリットな生きものを紹介したいと思います。あわせて、中世後期になりますが、ブリューゲルの版画に描かれた怪物も紹介します。

【詩篇に描かれた怪物】
(1)ラットレル詩編(Luttrell Psalter)
1325年~1340年にイギリス北部の裕福な土地所有者ラットレル卿によって作成された大部の写本。
本文周縁部に中世の生活(農業、狩猟、娯楽、音楽制作)が描かれるとともに、人間の頭、動物/魚/鳥の体、植物の尾を組み合わせた想像上のハイブリッド怪物が多数描かれています。

    

(2)マックルズフィールド詩編(Macclesfield Psalter)
1330-1340年頃のイギリス東部で制作された小型の写本。
擬人化された動物たちが当時の人々が楽しんだ狩りや馬上槍試合に興じたり、ネズミが猫をやっつけ、兎が猟犬を獲物にひっさげてさかさまの世界が展開され、お猿のお医者さんが薬を処方し、狐の司祭がアヒルに説教するなど痛烈な風刺が披露されたりしています。

【ベアトゥス写本の怪物】
黙示録に描かれている数々の災いを起こす怪物を想像力豊かに具象化して描いています。 写本の挿絵師によりその描かれ方はまちまちです。
(1)オスマ写本

   

(2)ナバーラ写本

  

 

【ブリューゲルの版画から】
ピーテル・ブリューゲル(1525年から1530年頃 – 1569年9月9日)は、16世紀のブラバント公国(現在のオランダ)の画家。同名の長男と区別するため「ブリューゲル(父、または老)」と表記されることが多い。
版画も風景画のほかに寓意画も多く、シリーズ「7つの大罪」「7つの徳目」や「聖アントニウスの誘惑」「忍耐」「大きな魚は小さな魚を食う」などが有名です。

   

     

(ブリューゲルの版画は9月も展示を続けます。)

ヨーロッパ中世の写本の世界が味わえます。
場所は、豊田市駅からすぐ近くのVITS豊田タウンの地下1階(旧市民ギャラリー前)です。 外階段から降りてください。ぜひお越しください。

 

 

 

 

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